2014年11月25日

短歌の在庫整理

女より
今は優しきコンビニの
カレーうどんの出汁の香りよ

淋しさに友を見送り
思い出す
帰り道は一人になる

誰も皆
不幸になれと呪う朝
悲報を聞いて泣きじゃくる夜

貯金もない
車どころか免許もない
それとなにより危機感がない

棄てられし女に男の話聞き必死に他の女を想う

唐突に
死にたくなったからゲオで
『(500)日のサマー』を借りる

やっぱりだ見なきゃよかった
もう二度と
IKEAになんか行かんとぞ思う

許すことと赦すことの違いなど
眠れぬままに
辞書を引く夜

歩み寄れば「優しすぎる」と怒られて
途方に暮れる
陽はまた昇る

油揚
黴の生えし表面を千切って焼くも
腹を下さん

強欲や
失うものがないからこそ
失うものを求め眠れず

拭いてくれる人も居ぬのに流すだけティッシュ無駄なり
止まれ洟

有隣堂
新刊本の芳しき糊だけ嗅いで
BOOK OFF行く

誰かが
誰かに宛てた文を見て
悪く思えど救われる夜

南方より嬉しき報せ
久々に
悔しさ以外を噛み締める夜

喜ぶが喜び方が下手糞で
取り敢えずただ
飛び跳ねてみる



posted by 淺越岳人 at 23:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 啄木ごっこ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。