女より
今は優しきコンビニの
カレーうどんの出汁の香りよ
淋しさに友を見送り
思い出す
帰り道は一人になる
誰も皆
不幸になれと呪う朝
悲報を聞いて泣きじゃくる夜
貯金もない
車どころか免許もない
それとなにより危機感がない
棄てられし女に男の話聞き必死に他の女を想う
唐突に
死にたくなったからゲオで
『(500)日のサマー』を借りる
やっぱりだ見なきゃよかった
もう二度と
IKEAになんか行かんとぞ思う
許すことと赦すことの違いなど
眠れぬままに
辞書を引く夜
歩み寄れば「優しすぎる」と怒られて
途方に暮れる
陽はまた昇る
油揚
黴の生えし表面を千切って焼くも
腹を下さん
強欲や
失うものがないからこそ
失うものを求め眠れず
拭いてくれる人も居ぬのに流すだけティッシュ無駄なり
止まれ洟
有隣堂
新刊本の芳しき糊だけ嗅いで
BOOK OFF行く
誰かが
誰かに宛てた文を見て
悪く思えど救われる夜
南方より嬉しき報せ
久々に
悔しさ以外を噛み締める夜
喜ぶが喜び方が下手糞で
取り敢えずただ
飛び跳ねてみる
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